疲れがたまると歯が浮いた感じがするのはなぜ?原因やリスクを解説

      2026/08/05

月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科で、疲れがたまると歯が浮いた感じがするのはなぜ?原因やリスクを解説

こんにちは、月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科の院長、神成です。

仕事が忙しいときや睡眠不足が続いているとき、あるいはストレスが溜まっているときなどに、なんとなく歯が浮いた感じがすると思ったことはないでしょうか。
この違和感は、しっかりと睡眠をとったり疲れが取れたりすると自然と消えることが多いため、一時的なものとして放置されがちです。

しかし、実はこの症状の背景には、歯科医院での早期治療を必要とする口腔内のトラブルが隠れていることがあります。
今回は、歯が浮く感覚が起こるメカニズムや、その裏に潜むリスクについて解説します。

 

「歯が浮く感じ」とは

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歯が浮く感じとは、一部または複数の歯が上へ押し上げられるような違和感や、上下の歯を噛み合わせたときに特定の場所だけが先に当たって響くような不快感を指します。
この感覚は、主に歯の根元を包んでいる「歯根膜(しこんまく)」の炎症によって生じます。

ではなぜ、身体の疲れやストレスが歯の違和感として現れるのでしょうか。
そこには、歯を支える組織の構造や身体の免疫システム、自律神経の働きなどが影響しています。

 

疲労が歯根膜に与える影響

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歯は、歯根膜という薄い繊維性の膜を介してあごの骨に固定されています。
歯根膜には、物を噛んだときの感触を脳に伝えるセンサーとしての役割と、噛む衝撃を和らげるクッションとしての役割があり、無数の毛細血管が網の目のように張り巡らされています。
身体に疲労が溜まると、自律神経のバランスが乱れ、末梢の血流調整機能が低下します。
細い血管が密集している歯根膜は、この血流悪化の影響を受けやすく、内部が充血してわずかに厚みを増します。
この状態で咀嚼や食いしばりによる刺激が加わると、歯根膜は炎症を起こし、歯が押し上げられるような感覚が生じます。

 

免疫機能の低下と口腔内細菌のバランス

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人間の口腔内には、健康な状態であっても数百種類もの細菌が常在しています。
普段は免疫機能により一定のバランスが保たれていますが、疲労や睡眠不足、ストレスによって免疫機能が低下すると、このバランスが崩れて細菌が増殖し、それに対抗するための防御反応として急性炎症が起こります。
この炎症が歯の周囲の組織や歯根膜に波及することで、組織が腫れて歯が浮く感じがするようになります。

 

ストレスホルモンと口腔への影響

精神的なストレスが長期にわたって続くと、過剰に分泌されたストレスホルモンが免疫システムを低下させ、炎症が悪化しやすくなります。
さらに、ストレスは自律神経を通じて唾液の分泌量にも影響を与えます。
唾液には、口内の細菌や食べかすを洗い流す自浄作用や、細菌の増殖を抑える抗菌作用がありますが、唾液が減少することでこれらが十分に機能しなくなり、細菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。
そこへ、ストレスを解消しようとして無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりによる負荷が加わると、歯根膜は炎症を起こし、歯が浮く感じをさらに強めるという悪循環に陥ります。

 

歯が浮く感じの主な原因

歯が浮く感覚を引き起こす具体的な原因について、それぞれの疾患のメカニズムや症状、治療法を解説します。

 

歯根膜炎(しこんまくえん)

原因
歯根膜炎とは、歯根膜に炎症が生じている状態の総称です。
その原因は大きく分けて、細菌感染によるものと、過度な力(咬合力)が加わることによる物理的なものに分類されます。
感染性の歯根膜炎は、虫歯が神経(歯髄)に達し、さらにその周囲の歯根膜に炎症が広がることで生じます。
非感染性のものは、噛み合わせの不調や外傷などによって起こります。

症状
歯が浮いたような違和感から始まり、次第にズキズキとした鈍い痛みを感じるようになります。
感染性の場合は、温かいものを口にしたときに痛みが強くなる傾向があり、炎症が強くなると何もしなくても痛むようになります。

治療法・対処法
細菌感染が原因である場合は、根管治療が必要です。
物理的な負荷が原因である場合は、噛み合わせの調整を行って特定の歯に力が集中しないように整えます。
痛みが強い急性の段階では、まずは消炎鎮痛剤や抗生物質の処方による、組織の腫れを鎮める処置が行われます。

 

根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん・根尖病巣)

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原因
根尖性歯周炎とは、歯根の先端部分に細菌感染が起こり、骨の中に炎症や膿の袋(根尖病巣)が形成された状態です。
過去に大きな虫歯治療を受けて神経を抜いた歯や、虫歯を長期間放置したことで神経が死んでしまった歯に多く見られます。
神経がなくなった根管の内部は免疫細胞が届かないため細菌の温床になりやすく、その細菌が根の先からあごの骨へと広がることで発症します。

症状
慢性的な状態ではほとんど症状がありませんが、疲労や免疫力の低下をきっかけに細菌の活動性が急激に高まると、歯が浮いた感じや、噛んだ際の痛み、歯ぐきの腫れや膿といった症状が現れます。

治療法・対処法
歯科医院にてかぶせ物や土台を一度取り外し、根の内部を清掃・消毒する「再根管治療」を行います。
根の内部をきれいに清掃し、薬剤を詰めて密閉することで、根の先の病巣は徐々に縮小していきます。
治療には数回の通院が必要です。

 

歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)

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原因
就寝中の歯ぎしりや、上下の歯を接触させ続ける食いしばりは、ストレス、肉体疲労、噛み合わせの不調、中枢神経のコントロールの乱れなどが原因と考えられています。
毎晩のように特定の歯とそれを支える歯根膜にかかる負荷がかかり続けることで、組織が慢性的な打撲状態となります。

症状
朝起きたときに、歯が浮いた感じがしたり、あごの関節や筋肉に疲労感や痛みを感じたりします。
特定の歯がしみやすくなる、歯の表面が削れて平らになる、歯の根元がくさび状に削れるといった変化を伴うこともあります。

治療法・対処法
マウスピース(ナイトガード)を就寝時に装着することで、歯と歯が直接ぶつかり合うのを防ぎ、歯根膜にかかる過剰な圧力を分散・軽減させます。
リラックスする時間を意識的にとったり、ストレスやマッサージをしたりすることも改善につながります。

 

歯周病の急性化

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原因
歯周病は、歯垢(プラーク)の中に潜む歯周病菌が、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に侵入し、歯を支える骨をじわじわと溶かしていく病気です。
自覚症状が乏しく静かに進行しますが、過労や睡眠不足によって身体の免疫力が下がると、蓄積していた歯周病菌が活性化し、炎症を引き起こします。

症状
歯ぐきが突然赤黒く腫れ上がり、歯が浮いているような強い違和感が生じます。
歯ぐきを押すと痛みが走り、隙間から膿や血液が出てくるため、不快感や強い口臭を伴うようになります。

治療法・対処法
まずは炎症を抑えるため、歯科医院にて歯周ポケット内部の洗浄を行い、必要に応じて抗菌薬の処方や歯周ポケット内への薬剤注入を行います。
腫れが引いた段階で、原因となっている歯石や歯垢を取り除くスケーリング・ルートプレーニングも行います。

 

虫歯の進行(深在性う蝕・歯髄炎)

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原因
虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶かされ、神経(歯髄)のすぐ近くまで虫歯が深く進行した状態です。
細菌が象牙質の中にある象牙細管を通って歯髄へと侵入し、神経に炎症(歯髄炎)を引き起こします。

症状
初期の歯髄炎の症状は、冷たい水や甘いものがしみる鋭い痛みが代表的ですが、さらに進行して慢性的な炎症になると、温かいものがしみるようになります。
同時に歯根膜へも炎症が広がるため、歯が浮いた感じや、噛んだときに重い鈍痛が残るようになります。

治療法・対処法
虫歯に侵されて軟らかくなった歯質を除去します。
すでに広範囲に炎症が及び、回復が見込めない場合は、局所麻酔を行ったうえで神経を取り除く治療を行います。

 

歯の外傷・打撲

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原因
スポーツ中の接触、転倒、交通事故、あるいは硬すぎるものを誤って強く噛んでしまったときなどに、歯やあごの骨に瞬間的に強い衝撃が加わることで生じます。
この衝撃によって、歯を支えている歯根膜の繊維の一部が断裂したり、内部の微細な血管が破れて出血を起こしたりします。

症状
外傷の直後は、ズキズキとした激しい痛みや出血が見られることが多いですが、数日から数週間が経過して急激な痛みが和らいだあとも、歯が浮いた感じや、食事のときに噛むと響くような違和感が長く残ることがあります。

治療法・対処法
レントゲン撮影を行い、歯根破折の有無や、あごの骨に異常がないかを確認します。
根が折れていない場合は、隣の健康な歯と連結して固定し、歯根膜の繊維が再結合するのを待ちます。

 

矯正治療中の歯の移動

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原因
ワイヤーやマウスピースなどの矯正装置によって、歯に持続的な力が加えられている状態です。
力がかかる側のあごの骨は吸収され、引っ張られる側の歯根膜は引き伸ばされるという組織の変化が起きています。

症状
装置を新しく調整したあとや、新しいマウスピースに交換した直後の数日間に、お口全体の歯が浮くような感覚や、食べ物を噛んだときに締め付けられるような痛みが生じます。
これは歯が動いている過程で生じる生理的な反応であり、病気ではありません。

治療法・対処法
組織の適応に伴い、数日で自然に症状は落ち着いていきます。
痛みが強くて食事が喉を通らないような場合は、ワイヤーの力を少し弱めたり、一時的に市販の鎮痛剤を服用して痛みをコントロールしたりします。

 

妊娠・ホルモンバランスの変化

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原因
女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の分泌量が急激に増加する妊娠中や生理前後は、お口の中の毛細血管が拡張しやすく、わずかな刺激に対しても組織が過敏に反応して炎症を起こしやすくなります。
さらに、特定の歯周病菌は女性ホルモンを栄養源として好む性質があるため、菌の増殖が活発になります。

症状
つわりなどで丁寧な歯磨きが難しくなると、「妊娠性歯肉炎」を発症しやすくなります。
この炎症が歯の周りの組織や歯根膜にまで波及すると、歯全体がムズムズして浮くような独特の感覚が生じます。

治療法・対処法
体調が安定している時期を見計らい、歯科医院にてお口の中のクリーニングを受け、プラークの量を減らすことが大切です。
つわりがひどいときは、こまめなうがいを心掛け、ヘッドの小さな歯ブラシを使用するなど、無理のない範囲で口内を清潔に維持する方法を見つけましょう。

 

よくある質問

Q.疲れたときに歯が浮くのは、自然に治りますか。
A.睡眠や休息をとることで一時的な血流の滞りや軽度の炎症が治まり、違和感が消えることもあります。
ただし、歯根膜炎や根尖性歯周炎などの疾患が原因である場合、放置すると症状が進行するため注意が必要です。
Q.歯が浮く感じがするときは、どんな応急処置が有効ですか。
A.患部を無理に触ったり、強く噛み合わせたりしないようにしてください。
痛みが強い場合は、市販の鎮痛薬を用法・用量どおりに服用して様子を見つつ、早めに歯科医院を受診しましょう。
Q.歯ぎしりや食いしばりは、どうやって対策すればいいですか。
A.歯科医院で専用のマウスピース(ナイトガード)を作製し、就寝時に装着することで歯や歯根膜にかかる負担を軽減できます。
また、日中の無意識の食いしばりに気づいて力を抜く習慣をつけることも効果的です。
Q.虫歯がないのに歯が浮くことはありますか。
A.はい、あります。
歯ぎしりや食いしばりによる物理的な負担、歯周病の急性化、過去に治療した歯の根の先の炎症(根尖性歯周炎)などが原因で、虫歯がなくても歯が浮く感じが生じます。
Q.受診するべき目安はありますか。
A.休んでも違和感が取れない、日ごとに痛みが強くなる、噛むと響く、歯ぐきが腫れてきたといった症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

まとめ

疲れたときや体調が優れないときの「歯が浮く感じ」は、歯根膜炎や根尖性歯周炎、歯周病の急性化、歯ぎしり・食いしばりなどが影響している可能性があります。
疲労がとれると違和感が治まるため、つい受診を後回しにしてしまいがちですが、その間にも症状は進行します。
歯が浮くような違和感を覚えたら、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。

 



佃2丁目歯科:https://tsukuda-2-dental.com/

〒104-0051 東京都中央区佃二丁目5番11号 ローゼ・イワサキ102号
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