根管治療
- Q. 根管治療(根っこの治療)とは、具体的に何をするのですか?
- A. 歯の内部にある「根管」という細い管の中から、細菌に感染した神経や汚れを徹底的に取り除き、内部を洗浄・消毒して、再び細菌が入らないように密閉する治療です。建物の「基礎工事」にあたる非常に重要な工程で、ここを精密に行うかどうかが、歯の寿命を左右します。
- Q. なぜ何度も通院が必要なのですか?
- A. 根管は非常に複雑で細く、しかも暗い場所にあります。細菌を確実に取り除かずに密閉してしまうと、後で再発して抜歯のリスクが高まるため、当院では急がず慎重に洗浄と消毒を繰り返します。ただし、当院では一回の診療時間を長く確保しているため、一般的な歯科医院よりも通院回数を抑えられるよう努めています。
- Q. 保険診療の根管治療でも、最新の器具を使ってもらえますか?
- A. はい、もちろんです。当院では、再発を防ぐために必要だと判断した「ニッケルチタンファイル」や「トライオート(電動拡大装置)」、「超音波洗浄」などの設備を、保険診療・自費診療を問わず全ての患者様に使用しています。
- Q. 以前、他院で根の治療をしたところがまた痛くなりました。再治療は可能ですか?
- A. 可能です。これを「感染根管治療」と呼びます。以前の治療で取りきれなかった細菌や、詰め物の隙間から入り込んだ細菌が原因です。当院では洗浄システムを駆使し、再発を繰り返す難しい症例にも対応しています。
- Q. 「抜歯してインプラントにしましょう」と言われましたが、残せますか?
- A. 諦める前にぜひ一度ご相談ください。当院では、通常の治療では治らない場合に「歯根端切除術」や「分割抜歯(ヘミセクション)」といった外科的な手法を用いることで、抜歯を回避できる可能性があります。精密検査を行い、残せる可能性を誠実に診断いたします。
- Q. 治療中に痛みはありますか?
- A. 治療中はしっかりと麻酔を効かせますので、痛みを感じることはほとんどありません。麻酔そのものの痛みについても、表面麻酔や極細の針、電動制御などを用いて最大限の配慮を行っています。もし治療中に違和感があれば、すぐに対応いたしますのでご安心ください。
- Q. 治療の後に痛みや腫れが出ることはありますか?
- A. 根の先に溜まっていた膿や細菌が、治療による刺激で一時的に反応し、痛みや違和感が出ることがあります。これは多くの場合、数日で治まります。必要に応じて痛み止めや抗生剤を処方し、アフターフォローもしっかりと行います。
- Q. 「MTAセメント」とは何ですか?使うメリットは何ですか?
- A. MTAセメントは、非常に高い殺菌性と、生体との馴染みが良い(生体親和性)特殊な材料です。根の先に穴が開いている場合や、通常の薬では治りづらい炎症がある場合にこれを使用することで、これまでは抜歯するしかなかったケースでも、歯を残せる確率が劇的に向上します。
- Q. 根の治療が終わった後は、どのような被せ物になりますか?
- A. 根の治療後の歯は、枯れ木のように脆くなっています。そのため、まずは「コア(土台)」を作って補強し、その上に被せ物(クラウン)をします。当院では、根が割れるリスクを抑える「ファイバーコア」や、見た目と精度の高い「セラミック」など、患者様のご要望に合わせた最適な選択肢をご提案します。
- Q. 治療を途中でやめてしまうとどうなりますか?
- A. それが最も危険な状態です。消毒途中の根管は非常に無防備で、放置するとあっという間に細菌が繁殖し、周囲の骨を溶かしてしまいます。最終的には激痛に襲われ、抜歯せざるを得なくなるため、最後まで必ず通いきっていただくようお願いしています。
- Q. 費用はどのくらいかかりますか?
- A. 基本的な治療は保険診療で行えます。MTAセメントやファイバーコア、特定の外科処置などは自費診療となる場合がありますが、事前に必ず費用とメリットをご説明し、患者様にご納得いただいてから進めますのでご安心ください。
歯を残すための「精密な基礎工事」
根管治療(根っこの治療)は、家づくりに例えるなら「基礎工事」そのものです。
どれほど高価で美しいセラミックの歯を被せたとしても、その土台となる根っこに細菌が残っていれば、数年後に再発し、結局は抜歯することになってしまいます。
私は、月島・佃の皆様に「入れた歯を一生使っていただきたい」と考えています。
だからこそ、当院では目に見えない根の先1ミリにまでこだわり、精密な治療を提供しています。
「保険診療だから」という妥協は一切いたしません
日本の歯科医療では、保険診療と自費診療で使える材料や時間に差があるのが一般的です。
しかし、私は「再発を防ぐための最低限必要なクオリティ」に保険も自費も関係ないと考えています。
当院では、保険診療の根管治療でも丁寧で精密な治療を標準的に行っております。
トライオート(電動根管拡大装置)× ニッケルチタンファイル
歯の根の管は非常に複雑で、人それぞれに曲がっています。
従来のステンレス製の器具では、曲がった先に届かなかったり、根を傷つけたりするリスクがありました。
当院では、柔軟性に優れた「ニッケルチタンファイル」と、それを精密に制御する「トライオート」を導入しています。
これにより、複雑に湾曲した根の先まで、安全かつスピーディーに汚れを取り除くことが可能です。
超音波洗浄:目に見えない細菌を根こそぎ洗い流す
手作業の器具だけでは、根の管の細かな枝分かれ部分にある細菌を落としきることはできません。
当院では超音波の微細な振動を利用し、洗浄液を根の隅々まで行き渡らせることで、細菌の塊(バイオフィルム)を徹底的に破壊し、洗い流します。
この工程を丁寧に行うことが、将来の再発率を劇的に下げます。
さらに成功率を高めるための、自費診療の選択肢
重度の症状や、より長期的な安定を望まれる方には、最新の材料を用いた自費診療もご提案しています。
もちろん、私の利益のためではなく、あなたの歯を残す確率を1%でも高めるための提案です。
MTAセメント
従来の薬剤に比べ、非常に高い殺菌性と「生体親和性(体になじむ力)」を持つ特殊な材料です。
根の先に穴が開いてしまったケースや、ひどい炎症がある場合でも、このMTAセメントで封鎖することで、奇跡的に歯を保存できることがあります。
ファイバーコア(柔軟な土台)
根の治療が終わった後、歯を補強するための土台です。
金属の土台は硬すぎて、噛んだ衝撃で根が割れてしまう(歯根破折)原因になることがありました。
ファイバーコアは歯に近いしなりを持つため、根が割れるリスクを大幅に軽減し、歯の寿命を延ばします。
【難症例への挑戦】他院で抜歯と言われた方へ
「根の先まで菌が入っているから、もう抜くしかありません」
「何度も再発しているから、土台の寿命です」
そのように宣告されたとしても、まだ道は残されています。
根管治療を繰り返しても治らない、あるいは根の先に大きな膿の袋(歯根嚢胞)ができている場合、多くの医院では抜歯を選択します。
しかし、当院には「外科的根管治療」という選択肢があります。
歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)
根の先にある「膿の袋」を直接取り除く
通常の根管治療は、歯の頭から細い器具を入れて掃除をします。
しかし、根の先が複雑に枝分かれしていたり、細菌が根の外にまで飛び出している場合、内側からの掃除だけでは限界があります。
「歯根端切除術」は、歯茎を数ミリ切開し、病巣(膿の袋)を直接確認しながら除去し、感染している根の先端を数ミリだけ切り取る処置です。
当院のこだわり
切り取った根の断面を、専用の歯科用材料(MTAセメント等)で「逆行充填」し、細菌が二度と出入りできないよう完全に封鎖します。
これにより、抜歯と言われた歯の成功率は飛躍的に高まります。
ヘミセクション・トライセクション(分割抜歯)
「全部抜く」のではなく「悪い根だけ」を取り除く
奥歯には通常、2本から3本の根っこがあります。
もし、そのうちの1本だけが折れていたり、ひどい炎症を起こしていたりする場合、これまでは歯を丸ごと抜くのが一般的でした。
しかし、残りの根がしっかりしているのであれば、悪くなった1本の根だけを切り離して取り除き、残った健康な根を活かすことができます。
ヘミセクション
2本ある下顎の奥歯の根のうち、1本を除去。
トライセクション
3本ある上顎の奥歯の根のうち、1本を除去。
残った根を土台にして被せ物をすることで、インプラントや入れ歯に頼ることなく、自分の歯の感覚で噛み続けることが可能になります。
「嘘をつかない」診断を大切にしています
もちろん、全ての歯を救えるわけではありません。
根が真っ二つに割れている場合や、周囲の骨が完全に失われている場合は、無理に残すことがかえって周囲の健康な歯に悪影響を及ぼすこともあります。
私は、診察室であなたに嘘はつきません。
残せる可能性が何%あるか
残した場合の寿命はどれくらいか
精密な検査結果に基づき、プロとしての見解を誠実にお伝えします。
「並列診療しない」からこそできる、丁寧な処置
根管治療の最大の敵は、唾液に含まれる「細菌」の侵入です。
短時間で慌ただしく治療をしたり、ドクターが席を外したりしていては、精密な滅菌状態を維持することはできません。
当院ではお一人に30分〜60分のお時間を確保しています。
私がつきっきりで、一本の歯と真剣に向き合う。
この「集中できる環境」があるからこそ、再発の少ない、精度の高い根管治療が実現できるのです。
最後に:あなたの歯の「最後の砦」として
根管治療は地味で、回数もかかる治療かもしれません。
しかし、ここを疎かにすることは、砂の上に城を建てるのと同じです。
「何度も同じところが痛む」
「もう抜くしかないと言われた」
そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
一緒に、大切な歯を守り抜きましょう。
根管治療に関するよくある質問(FAQ)
