アブフラクションとは?歯の根元が欠ける原因とリスクや治療法を解説

      2026/10/05

月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科で、アブフラクションとは?歯の根元が欠ける原因とリスクや治療法を解説

こんにちは、月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科の院長、神成です。

歯と歯ぐきの境目の部分が不自然にくぼんでいる場合、「アブフラクション」の可能性があります。
アブフラクションは、毎日何気なく行っている咀嚼や、無意識の習慣が原因となって、エナメル質が削れてしまっている状態です。

歯の表面を覆う硬いエナメル質が虫歯でもないのに削れてしまう背景には、口腔内に加わるさまざまな力があります。
アブフラクションを理解することは、大切な歯の寿命を延ばし、将来にわたって自身の歯で食事を楽しむための一歩です。
今回は、アブフラクションの原因や、他の疾患との見分け方、治療法や予防法を解説します。

 

アブフラクションとは

月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科で、アブフラクションとは?歯の根元が欠ける原因とリスクや治療法を解説

歯の表面を覆う硬いエナメル質が削れてしまう背景には、口内に加わる大きな「力」があります。

アブフラクションとは、過剰な咬合力や偏った方向からの応力が歯頸部(歯の根元部分)に繰り返し加わることで生じる、エナメル質や象牙質の欠損のことです。
歯は、歯冠部は厚く強固なエナメル質で守られていますが、歯頸部のエナメル質は0.1mmほどの薄さです。
構造的に外部からの物理的な負荷に対して弱い性質となっています。

歯に対してまっすぐ均等に力が加わっている状態であれば、噛む力は歯根を通じて周囲の骨へとバランスよく分散されます。
しかし、歯の向きに対して斜め方向から力がかかったり、横方向への揺さぶりが加わったりすると、支点となる歯の根元に負担がかかります。

それが繰り返されると、エナメル質に微細なひび割れ(マイクロクラック)が生じるほか、エナメル質が少しずつ削り取られ、くさび形へと変わっていきます。

 

歯の根元が削れる「くさび状欠損」と「アブフラクション」の違い

「くさび状欠損」と「アブフラクション」は、どちらも歯の根元(歯と歯ぐきの境目)が削れてくさび状にへこむ現象を指す言葉です。
くさび状欠損が「歯の根元が削れている」という結果(見た目)の名称であるのに対し、アブフラクションは、その削れを引き起こす「噛み合わせの力の負担」という原因の名称です。

くさび状欠損の原因(アブフラクション)は、噛む力だけではありません。
何気ない癖や食生活など、他にもいくつかの原因が存在します。

 

噛む力以外の原因で歯が削られる「摩耗症」

月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科

摩耗症とは、咬合力以外の力によって、歯の表面が削られる症状のことです。
代表的な原因には、硬すぎる歯ブラシの使用や強すぎる力でのブラッシング、研磨剤が大量に含まれた歯磨き粉の多用などがあります。
また、仕事中に釘や針を歯でくわえる習慣、タバコなどを特定の歯で強く噛み続ける習慣、爪楊枝を同じ場所に強く差し込む癖なども、摩耗症を引き起こす原因となります。

 

酸で歯が溶ける「酸蝕症」

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酸蝕症とは、酸性の飲食物や胃酸などによって、歯の表面が溶けてしまう症状のことです。
柑橘類、炭酸飲料、お酢などの頻繁な摂取や、逆流性食道炎などによる胃酸の逆流は、口内を強い酸性に傾かせ、歯の表面を柔らかくします。
この酸蝕症によって歯が溶ける場合は、特定の歯だけでなく、歯の裏側全体や噛み合わせの面など、液体が触れやすい広い範囲にすり減りが現れるのが特徴です。

 

歯同士の接触による「咬耗症」

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咬耗症とは、上下の歯が擦れ合うことで、噛み合わせの面が平らにすり減ってしまった状態のことです。
主に、歯ぎしりや食いしばりといった、無意識の習癖によって引き起こされます。前述したアブフラクションが「力が集中して歯の根元が欠ける状態」であるのに対して、この咬耗症は「歯と歯が直接擦れ合ってすり減る状態」を指します。

どちらも歯ぎしりや食いしばりという過剰な力が原因で起こるため、アブフラクションが起きている歯では、この咬耗症も同時に見られるケースが多くあります。

 

進行によって現れる症状と段階

アブフラクションは、進行するにつれて歯の健康を脅かすさまざまな症状を引き起こします。
初期から重症化するまでの段階的な変化を正しく知ることで、早期に対処できるようにしましょう。


初期段階:見た目の変化と象牙質の露出
初期段階では、目立つ症状がほとんどありません。
歯の根元にわずかな段差が見られますが、鏡で注意深く観察してやっと気づく程度です。
しかし、その後も強い力がかかり続けると溝は徐々に深くなり、エナメル質の内側にある象牙質という組織が見えるようになります。
象牙質は少し黄みがかった色をしているため、歯の根元部分だけが黄色く見えるようになります。

中期段階:知覚過敏が起こる仕組み
象牙質が見えるようになると、多くの方が知覚過敏症状を感じ始めます。
冷たいものや甘いもの、風や歯ブラシの毛先が触れると、その刺激が象牙細管を通じて神経へと伝わり、キーンとする鋭い痛みを引き起こします。

放置することで生じる二次的リスク
知覚過敏の症状が強くなると、痛みのためにその部分を歯ブラシで磨くのを無意識に避けるようになってしまいます。
その結果、欠損した溝のなかにプラークが溜まりやすくなり、そこから虫歯が発生したり、歯ぐきに炎症が起きたりと、二次的なトラブルを招くことがあります。

重症化段階:神経の炎症と歯が折れるリスク
溝がさらに深く進行し、歯髄にまで近づくと、外部からの刺激が日常的に神経を刺激するようになります。
冷たいものだけでなく、温かい飲み物でもジワジワとした痛みが続くようになると、神経が大きな炎症を起こしているサインです。
また、歯の根元が深くえぐれているため、硬いものを噛んだ瞬間に歯が折れてしまうリスクが高まります。

 

アブフラクションの引き金となる日頃の癖

歯の根元に過剰な負担をかけてしまう原因として、日常的に行っている癖や、噛み合わせのバランスがあります。

 

歯ぎしり・食いしばりによる過度な負担

月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科で、アブフラクションとは?歯の根元が欠ける原因とリスクや治療法を解説

アブフラクションを引き起こす主な要因が、無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりです。
特に睡眠中の歯ぎしりは、食事をする際にかかる力の数倍におよぶ強い力が歯に加わります。
強い力でグッと噛み締め続ける食いしばりもあり、これらが数時間にわたって繰り返されることで、歯の根元には限界を超える負担が蓄積し続けることになります。

 

歯を接触させる癖

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上下の歯を接触させる癖は、持続的な負担を歯に与えることがわかっています。
リラックスしているときは上下の歯の間にわずかな隙間があるのが正常ですが、接触させ続ける癖があると、たとえ強く噛みしめていない場合でも負担がかかり続けることになります。

 

噛み合わせのバランスの偏り

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噛み合わせのバランスも、アブフラクションのリスクとなります。
例えば、過去に治療したかぶせ物の高さがわずかに高い場合、噛んだときにその歯だけに強い力が加わります。
また、歯が斜めに生えている場合、噛むたびに横方向への揺さぶりを受けます。
そのため、このような噛み合わせのバランスの崩れがある場合も、アブフラクションのリスクが高くなります。

 

歯科医院で行われる診断・治療法と予防策

アブフラクションによって歯の根元が欠けてしまった場合、どのような治療を行うのでしょうか。
アブフラクションから歯の健康を守るための治療と予防方法について解説します。

 

噛み合わせの調整による負担の分散

特定の歯に強い力がかかってアブフラクションが起きている場合は、まず噛み合わせの調整を行います。
これは、高さが合っていない歯の噛み合わせの面をごくわずかに削り、過剰な負担を周囲の歯へ均等に逃がしてあげるための処置です。
これによって噛む力が複数の歯に均等に伝わるようになり、特定の歯の根元への負担を和らげることができます。

 

マウスピースによる保護

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歯ぎしりや食いしばりがアブフラクションのリスクを高めている場合には、マウスピースによる保護を行います。
自分の歯並びにぴったりとあったマウスピースを装着して寝ることにより、上下の歯が直接ぶつかり合うのを防ぎ、歯や顎へのダメージを軽減することができます。

 

削れた部分を補う詰め物治療

月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科

アブフラクションによって歯の根元が深くえぐられてしまい段差ができている場合は、詰め物治療を行います。
その際に主に用いられるのが、虫歯の治療などでも使用されるコンポジットレジンです。
歯にぴったりと接着させることで、象牙質の露出による知覚過敏症状の緩和も見込めます。

 

知覚過敏を抑えるお薬の塗布

アブフラクションの段差が浅く、詰め物処置をするほどではないものの、冷たい水がしみるなど知覚過敏症状が出ている場合には、知覚過敏を抑える薬を表面に塗布します。
これは、アブフラクションで露出した象牙細管の入り口を薬液によって塞ぎ、刺激が神経に伝わらないようにする処置です。
このような歯科医院での処置に加えて、知覚過敏専用の歯磨き粉を使用するなど自宅でのケアも行っていただくことで症状の早期緩和が見込めます。

 

日常生活のなかで意識を変える工夫

アブフラクションを予防するためには、日頃の癖に気づき、意識して改善していくことが大切です。
特に食いしばりや歯ぎしり、無意識に歯を触れ合わせる癖は、顎関節症や知覚過敏、虫歯や歯周病のリスクも高めるため、気づいたタイミングから意識して改善を図るようにしましょう。

また、ストレスや疲れによる筋肉のこわばりは、食いしばりを強めて症状を悪化させる原因になります。
入浴でリラックスしたり、顎の筋肉を優しくマッサージしてほぐしたりすることも、夜間の歯ぎしりを和らげて予防につながります。

 

まとめ

月島(中央区佃)の歯医者、佃2丁目歯科

アブフラクションは、歯ぎしりや食いしばりといった負荷によって歯の根元が物理的に削られていく現象です。
放置すると知覚過敏の悪化や破折などの事態を招くことがあります。

主な原因は、就寝中の無意識な歯ぎしりや日中の噛み締め癖、上下の歯を接触させ続けることによる負担の蓄積、噛み合わせのバランスの偏りなどです。
進行を防ぐためには、歯科医院で専用のマウスピースを作製して夜間の負荷を分散させることや、日中の食いしばりに気づいて力を抜く意識を持つことが大切であり、定期検診を通じて噛み合わせの微調整や早期発見のケアを続けていくことが、大切な歯の寿命を長く保つことへとつながります。

 



佃2丁目歯科:https://tsukuda-2-dental.com/

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